シリコンゴムへのUV印刷を成功させる3つの秘訣：インク選び、表面処理、硬化条件の最適化

2025年8月14日 2025年8月14日

K-company

UV硬化型インクでシリコンゴムへの印刷を成功させる3つのポイント

ノベルティ印刷において、シリコンゴムへの印刷は難しいとされていますが、適切なUV硬化型インクを選ぶことで、美しく耐久性のある印刷が可能になります。

まず重要なのは、インクの化学組成を理解することです。シリコンゴムは表面エネルギーが低く、多くのインクが定着しにくい特性があります。そこで、シリコンゴムとの相性が良い成分を含むインクを選ぶ必要があります。

具体的には、シリコン系添加剤や特殊な接着促進剤を含むUV硬化型インクを探しましょう。これらの成分がシリコンゴムの表面と化学的に結合し、密着性を高めます。また、柔軟性のある樹脂を基材とするインクも、シリコンゴムの伸縮性に対応できるため好ましいです。

インクメーカーに相談する際は、使用するシリコンゴムの種類や硬度を伝え、最適な組成のインクを推奨してもらうことをおすすめします。

どんなに優れたインクを選んでも、シリコンゴムの表面状態が悪ければ、密着性は低下します。そのため、印刷前の表面処理が非常に重要になります。

まず、シリコンゴムの表面を清浄にします。油分や汚れを完全に除去するため、イソプロピルアルコールなどの溶剤で丁寧に拭き取ります。次に、表面の活性化処理を行います。プラズマ処理やコロナ処理といった方法がありますが、小規模なノベルティ印刷の場合は、専用のプライマー（下地剤）を塗布する方法が簡便です。

プライマーは、シリコンゴムとインクの間に入り、両者の密着性を高める架け橋の役割を果たします。シリコンゴム用に開発された特殊なプライマーを使用することで、印刷の耐久性が大幅に向上します。

表面処理を行う際は、処理後すぐに印刷することが重要です。時間が経つと表面の活性状態が失われてしまうため、効果が薄れてしまいます。

UV硬化型インクを使用する上で、適切な硬化条件を設定することは密着性を左右する重要な要素です。UV（紫外線）の照射時間や強度が不十分だと、インクが完全に硬化せず、耐久性に問題が生じる可能性があります。

一方で、過度のUV照射は、シリコンゴムを劣化させたり、インクを脆くしたりする恐れがあります。そのため、使用するインクの推奨硬化条件を確認し、それに合わせてUV照射装置を調整することが大切です。

また、シリコンゴムの色や厚みによっても最適な硬化条件は変わってきます。特に、黒や濃い色のシリコンゴムの場合、UVの透過率が低下するため、照射時間を延長したり、より強力なUVランプを使用したりする必要があるかもしれません。

硬化条件の最適化は、試行錯誤が必要な場合もあります。小ロットでテスト印刷を行い、密着性や耐久性を確認しながら、最適な条件を見つけていくことをおすすめします。

以上の3つのポイントを押さえることで、シリコンゴムへのUV硬化型インクの印刷品質を大幅に向上させることができます。ノベルティ印刷において、シリコンゴム製品への印刷の需要は高まっています。これらの知識を活かし、高品質なシリコンゴム印刷を実現することで、他社との差別化を図ることができるでしょう。