印刷現場の安全環境づくり:委託先選びで見るべき3つの必須ポイント

印刷現場での安全環境づくり:3つの重要ポイント
ポイント1:作業環境の整備と健康管理
印刷現場では、インク・洗浄液・溶剤といった化学物質が日常的に使用されます。特にシリコン印刷※1などの特殊な印刷方式では、独特の薬品が必要になるため、作業環境の整備がより重要です。労働安全衛生法では、これらの有害物質から従業員を守るため、十分な換気設備の設置を義務付けています。
具体的には、印刷機周辺に局所排気装置(※2ダクト型の吸引装置)を設置し、有害ガスや粉塵を直接吸い込むことが基本です。また、床の清掃・整理整頓も重要で、化学物質の飛散防止と転倒防止につながります。ノベルティーや物販用の印刷物を大量生産する委託先を選ぶ際は、このような安全設備が整っているか確認することをお勧めします。正規の安全設備がある工場なら、品質も安定しているという信頼の目安になります。
安全環境が整った現場では、従業員の健康診断や定期的な健康チェックも実施されています。制作委託先選びの際には、従業員の健康管理体制について尋ねることで、その企業がどの程度まで安全に真摯に取り組んでいるかが判断できます。長期的に品質の高い納入を期待するなら、従業員の健康と安全が守られている企業を選ぶことが不可欠です。
ポイント2:適切な保護具の使用と教育体制
化学物質を扱う印刷現場では、保護具の着用が義務です。手袋・マスク・保護眼鏡・作業服など、用途に応じた正しい保護具を選択することが生命線となります。特にシリコン印刷に従事する作業者には、より高度な保護具が求められる場合があります。
重要なのは「正しく使う」ことです。どんなに高性能な保護具でも、使い方が不適切では効果がありません。そのため、定期的な安全教育・訓練が法律で定められています。制作委託先を選ぶ際には、従業員教育がしっかり行われているか、安全マニュアルが整備されているかを尋ねる価値があります。こうした企業は、納期や品質管理も厳格である傾向が高いです。
さらに優れた企業では、季節ごとや新人入社時の定期的な教育に加えて、外部講師による専門的な安全研修も実施しています。保護具の正しい選択方法や装着方法について、スタッフが正確な知識を持つ企業なら、印刷物の品質にも細かな配慮が行き届いている可能性が高まります。物販やノベルティー制作を委託する際は、教育体制の充実度を判断基準の一つにすることをお勧めします。
ポイント3:リスク評価と継続的改善の仕組み
労働安全衛生法では、印刷現場における危険性や有害性を事前に評価し、対策を立てることが求められています。これをリスク評価といい、新しい印刷方式や化学物質を導入する際には必ず実施すべきプロセスです。
企業によって印刷技術や設備は異なります。シリコン印刷を含め、様々な印刷方式に対応できる委託先ほど、複数の危険要因に対する評価が進んでいるはずです。さらに優良な企業では、作業中の事故やヒヤリハット※3を記録し、そのデータから改善策を導き出す文化が根付いています。
物販やノベルティー制作を安心して委託するなら、こうした「継続的改善」の姿勢がある企業を選ぶことが重要です。安全性の改善が積み重ねられている現場では、必然的に製造プロセスも洗練され、納品物の品質も向上します。実際に委託先の工場を視察したり、過去の改善事例を聞いたりすることで、その企業の安全意識の高さを測ることができます。単なる価格ではなく、安全管理の充実度で比較することが、最終的には高品質な商品納入にもつながり、長期的なコスト削減にも結びつくのです。
※1 シリコン印刷:シリコーン素材に特殊なインクを使用して行う印刷方式
※2 局所排気装置:作業場所の限定的な範囲から有害物質を直接吸引する設備
※3 ヒヤリハット:実際の事故には至らなかったが、危険な状態が生じた事例

