シリコン印刷で失敗しない!表面処理とインク選定で長持ちするノベルティーを実現する方法

# シリコン印刷で失敗しない!表面特性と密着性の必須知識

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ポイント1:シリコンゴムの表面特性を知ることが成功の鍵

シリコン印刷を成功させるには、まずシリコンゴムがどんな素材なのかを理解することが重要です。シリコンゴムは耐熱性※1に優れ、柔軟性があり、様々なノベルティーや製品に使われています。しかし実は、この素材には大きな特徴があります。それは「撥水性※2」です。

つまり、シリコンゴムの表面は水を弾く性質を持っているため、通常のインク※3がうまく乗らないという問題が生じます。多くの方がシリコン印刷で失敗するのは、この基本的な特性を見落としているからです。

表面が滑らかで密閉性の高いシリコンゴムに対して、従来の方法で無理に印刷しようとすると、インクが定着しにくく、洗濯や使用時に剥がれてしまいます。物販やノベルティー制作を検討している方は、この点を必ず押さえておく必要があります。

良い印刷品質を実現するには、シリコンゴムの撥水性という特性を「敵」ではなく「特性」として認識し、それに合わせた技術選択をすることが必須なのです。

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ポイント2:密着性を高める事前処理が重要なステップ

シリコン印刷で密着性を確保するために、多くの専門企業が行うのが「表面処理」です。最も一般的な方法は、印刷前にシリコンゴムの表面を特殊な薬液で処理することです。これにより、撥水性が緩和され、インクが素材に吸収しやすくなります。

プラズマ処理※4という高度な技術を用いる企業もあります。これは空気やガスを電離させてシリコンゴムの表面を化学的に変化させる方法で、非常に高い密着性を実現します。ノベルティー制作で耐久性が求められる場合、この技術が活躍します。

また、シリコン専用のプライマー※5という下地材を塗布する方法も効果的です。これはシリコンゴムとインクの間に橋渡しをするような役割を果たし、密着力を格段に向上させます。

ノベルティーの制作委託先を選ぶ際は、単に「シリコン印刷ができます」という企業ではなく、「どのような表面処理を行うのか」を確認することが重要です。事前処理の質が、最終的な製品の品質を大きく左右するのです。

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ポイント3:インク選定とシリコン印刷方法の最適な組み合わせ

シリコンゴムへの印刷方法には、スクリーン印刷※6、パッド印刷※7、転写印刷など複数の選択肢があります。どの方法を選ぶかは、デザインの複雑さや製品形状によって変わります。

重要なのは、シリコン印刷に対応した専用インクの選択です。通常のインクではシリコンゴムの撥水性に対応できないため、シリコン樹脂系や特殊な接着成分を含むインクが必要になります。物販製品やノベルティーでは、洗浄や色落ちへの耐性が求められるため、ここでケチをするべきではありません。

実は、同じシリコン印刷でも、使用するインクの種類によって耐久性は大きく異なります。低価格の制作委託先では、安価なインクで対応することもあります。その結果、数回の洗濯で色が落ちてしまうという事態に陥ります。

おすすめの方法は、制作委託先に「ノベルティーとして実際に使用される環境」を具体的に説明することです。日常的に使うのか、屋外で使用するのか、洗濯が必要なのか。こうした情報があれば、最適なインクと印刷方法の組み合わせを提案してもらえます。

シリコン印刷の品質は、表面特性の理解、適切な事前処理、そして正しいインク選定が三位一体で初めて実現するのです。これら三つの要素を全て満たしている制作委託先なら、高品質なノベルティーや製品を期待できるでしょう。

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※1 耐熱性:高い温度に耐える性質
※2 撥水性:水を弾く性質
※3 インク:印刷用の色料液
※4 プラズマ処理:電離したガスで素材表面を処理する技術
※5 プライマー:下地材、接着力を高めるための材料
※6 スクリーン印刷:細かい穴の開いた網を使用して印刷する方法
※7 パッド印刷:小さなパッドにインクを付けて素材に転写する方法