# 物販ビジネスの利益を左右する印刷機選定:パッド式・スクリーン式・デジタル式の投資判断ガイド

# 印刷機選定の投資判断:3つの印刷方式を徹底比較

## ポイント1:初期投資と小ロット対応能力で選ぶ

物販やノベルティ制作を始める際、最初に検討すべきは「どの程度の初期投資ができるか」という現実的な問題です。

パッド式印刷機は、初期投資が最も低く設定されているのが特徴です。シリコン印刷※1の一種であるパッド印刷は、小型の印刷機なら数十万円台から導入できます。これは曲面や凹凸のある商品への印刷に優れており、キーホルダーやボールペンなどのノベルティ制作に最適です。ただし、1色から複数色への対応には時間がかかり、大量生産向けではありません。

スクリーン式印刷機(※2シルク印刷とも呼びます)の初期投資は中程度で、100万円前後が相場です。Tシャツやトートバッグなどのテキスタイル製品に強く、小ロットから中ロットまで対応できます。色数が増えても比較的柔軟に対応でき、ノベルティの種類が多い場合に重宝します。

デジタル式印刷機は初期投資が最も高く、数百万円以上の予算が必要です。しかし最大の利点は、1枚からでも複雑なデザインを印刷できることです。小ロット多品種の物販に適しており、在庫リスクを最小限に抑えられます。

## ポイント2:商品の種類と表面素材で判断する

選定の次のステップは「何に印刷するのか」を明確にすることです。

パッド式は、シリコン印刷技術を活用しているため、プラスチックやゴム、陶磁器などの凹凸のある素材に威力を発揮します。球体やドーム型の商品への印刷も可能で、他の方式では対応困難な形状に対応できるのが大きな強みです。ただし、一度のセットアップで印刷できる色数が限定されるため、単色またはカラー数が少ないデザイン向きです。

スクリーン式は、布地への浸透性が高く、Tシャツやトートバッグの他、帆布製品にも最適です。色の鮮やかさが長持ちし、洗濯耐性も優れています。複数色の組み合わせも効率的に処理でき、複雑なロゴやイラストの再現性も高いのが特徴です。

デジタル式は、素材選ばずに対応できる汎用性が最大の利点です。写真のような細かい表現も可能で、グラデーションなども自由に表現できます。ただし、素材によっては耐久性に劣る場合があり、特にテキスタイルの場合は風合いの変化が起こる可能性があります。

## ポイント3:ランニングコストと長期採算性を考慮する

見落としやすいですが、長期的な経営を考える上で最も重要なのがランニングコストです。

パッド式のランニングコストは低めですが、インク※3の種類が限定されるため、特殊な色や効果が必要な場合、対応困難です。シリコン印刷用の各種インクは一般的で供給も安定しており、予測可能なコスト管理ができます。ただし、パッドの劣化が早いため、定期的なメンテナンス費用が発生します。

スクリーン式は、インクと版※4の交換が定期的に必要です。毎回新しい版を製作する場合、1色あたり数千円の版代がかかります。ただし、ロット数が多いほど1個あたりのコストは低下するため、安定した需要がある商品向きです。

デジタル式は、インクコストが比較的高く、1個あたりの単価は高めになります。しかし、複数色の組み合わせやデザイン変更に対応する際、追加費用がほぼ発生しないため、小ロット多品種ビジネスでは最終的に有利になることが多いです。

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※1 シリコン印刷:柔軟性のあるシリコンパッドを使用して、インクを転写する印刷方式
※2 スクリーン印刷:網目状の版を使用してインクを押し出す印刷方式
※3 インク:印刷に使用する液体顔料
※4 版:繰り返し使用する印刷用の原版